外資系リーマンのゆるコミット

必ずやります、たぶんそのうち

外資系には尖った変人ばかりじゃなくて穏やかな常識人も絶対に必要

外資系には尖った変人が多いとよく言われる。

確かに仕事で成果を出しさえすれば、見た目や性格に多少難がなっても許される雰囲気があるし、どちらかと言えば、協調性よりも自己主張が重視される傾向があるかもしれない。

今の会社で、ざっと社内を見渡して見てもインパクトのある人、キャラが濃い人が多い。

まず髪型や服装がほぼ自由なので、見た目からしてカタギのサラリーマンっぽくない人をよく目にする。

隣の営業部にも、肌は色黒、赤フレームのメガネに、口ひげ、アゴヒゲを蓄え、極太ストライプのスーツにミッキーのネクタイを好んで合わせてくる、見た目EXILEの出来損ないみたいな人がいる。

これが喋ってもかなりアクが強く、聞いてもいない過去の女性経験、仕事自慢を彼が始め出したら、周りは数十分の拘束は覚悟せねばならない。
 
そんな自己主張の強いタイプなので、社内には彼を苦手とする人も少なからずいるが、なぜか営業成績はめっぽう良く、チーム内では主力として頼りにされている。
 
社内のあるエース級のコンサルは、アラフォーのいい歳こいたオッサンでありながら、田舎のヤンキーばりの金髪で、ボロボロのデニムにネルシャツとスニーカーで平気で客先にも出向いていく。
 
しかし、技術にはめっぽう強く、最新のテクノロジーについてプレゼンをさせたら、ITオンチの年配の役員さんをも魅了するほどしゃべりも上手いので、そんな格好でも許されており、むしろ彼のファッションも個性としてみなされ、完全にキャラ立ちしている。 
 
いずれも、伝統的な日本企業では変人扱いされて地方の支店か飛ばされるのか、閑職に追いやられるかが席の山の人達が、外資系という自由な文化の中で実にのびのびと仕事をしている。
 
そんな人達を、能力があれば、という前提で全て受け入れる外資系企業はある意味、包容力があり柔軟な社風を持っているともいえる。
 

尖った変人ばかりでは会社は回らない

こんな人達がことさら目立つので、時に外資系は尖っている変人達が集まる場所だと思われがちだが、実際には穏やかでまともな?人というのも結構多く、外資系なオラオラ、ゴリゴリの自己主張が強い人ばかりいるわけではない。
 
銀行員のようなキッチリした服装に、優しく相手を諭すような物言いをされるタイプや、疲れきった新橋のサラリーマン風な普通のおじさんも当たり前だが多くいる。
 
外資系企業も組織である以上、変人ばかりでは仕事にならない。
尖った人達だけでうまく行く仕事ももちろんあるが、組織はバランスが大切だ。
 
特にビジネスはお客さんあってのこと。
外資系企業とはいえ日本で商売をしている以上、相手の多くは典型的な日本企業のお客さんだ。
 
自己主張が強いだけで、日本人的な気づかいや、配慮に欠けていると、相手から敬遠されてしまい、うまく人間関係が築けない場合もある。
 
そんな時には、誰にでも好感を持たれるような、穏やかで、ある意味目立った特徴の無いタイプの人も必要になる。アクの強い人では無く、安心感のある人に対して心を開いてくれる人は多いものだ。
 
一方で、尖っている人はやはりインパクトがあり相手の印象は残るので、ここぞという商談や、爪痕を深く残したい場面では大いに活躍する。
 
どっちが良いか悪いかの話ではなく、要は役割分担だ。
 
尖った人がプレゼンをして相手に強いメッセージを与えた後に、穏やかな人が後で出向いて、実際あの変な人どうでした?とフォローしたりする。
 
プロサッカーの世界でも、本田選手のような尖ったタイプばかりでは無く、誠実な長谷部選手や謙虚な今野選手のような人達がいてチームのバランスが保たれている。
 
会社も同じで、個性的なカリスマタイプだけではチーム全体として総合力を発揮することはできない。
 
それらの人たちと協調し、時には上手く彼らを活かして仕事を堅実に進める、穏やかな常識人も必ず必要なのだ。
 
もし今の職場環境で周りが個性的でアクの強いタイプばかりで、自分は目立たない存在で活躍できそうもない、と自信を失いかけている人がいたら誤解はしないでほしい。
 
どんな組織でも必ずいろいろなタイプの人材を求めているし、尖った人材ばかりで成り立つ会社なんて無い。
 
その人のキャラクターに応じた活躍の場が仕事の中で必ずあるし、無理に自分を変えていくよりも、置かれた環境でどう活躍出来るか、ということを自分で見つけていくことの方が重要だと思っている。