外資系リーマンのゆるコミット

必ずやります、たぶんそのうち

【警告】パソコンをWindowsからMacに変えようとしている人達は覚悟して欲しい

会社のパソコンをWindowsからMacに変えてみて、「改革」とか「変化」に対抗する人の気持ちが少し分かった。

10数年使ってきたWindowsから、半年ほど前にMacに乗り換えてみたのだが、これがどうしてめんどくさい。

決して、Macが不便とか使いにくいとかでは無いのだが、10数年続けている「習慣」や「やり方」を変えるのがしんどくてたまらんのだ。

Windowsを使い続けている人の中には、気分転換のためにーとか、なんかオシャレだからーと、軽ーい気持ちでMacに乗り換えようとしている人もいると思う。

そのこと自体を悪く言うつもりは無いが、これまでの「習慣」を変えることはそれなりに面倒だということを認識しておいて欲しい。

 

所詮どちらもパソコンなのだから、WindowとMacも大差ない、と思いきや細かい仕様が色々と異なっている。

例えば、WindowsMacでは、複数のキーを使う「ショートカット」のコマンドが違う。

一例をあげると、Excelで数字を合計したい時によく使う「オートSUM」。

Windowsの場合、[Shift]+[Alt]+[=]だが、Macの場合[command]+[Shift]+[T]だ。

いや、[T]って。覚えられんわこんなん。

合計を意味する「Total」の[T]なのか?と思ってそれで覚えたけど、またしばらくしたら、「あれ、なんだっけ?Sumの[S]だっけ?みたいになるし」

てか、[command]ってなんやねん。誰やお前。

隣にも見たこと無い[option]ってのもいるし。未だにどっちがどっちかわからん。

アプリを強制終了する時に使うコマンドも、Windowsでは[Ctrl]+[Altr]+[delete]だけど、Macでは[command]+[option]+[esc]だ。

出た、新参者[command]+[option]のダブル使い!

彼らは隣にいるからまだいいとして、いっっつも[esc]と[delete]を押し間違える。

だって、windowsでは[delete]だったんだもん。

10数年[Ctrl]+[Altr]+[delete]押してたら、そりゃ[delete]押すでしょ。

で、[command]+[option]+[delete]って押すんだけど、当然何も起きない。

でも間違いを認められなくて何度も押す。「あれ、おかしいな。接触悪いのか?おいコラ(パチパチ!!)」て感じで。

そんでコマンドが違うのに気づいても、どこが違うのか忘れちゃったから、調べるのもめんどくさい。適当に色々押してみたら、全然違うコマンドが発動してさらにイライラする。

「もうアプリ消すのやめよ」みたいになる。

この無駄な時間返せし。

 …ちょっと興奮して分かる人にしか分からない話をしてしまった。

 

とにかく、他にもたくさんのコマンドがWindowsMacでは違う。

よく使っているものは、なんとかしようとするけど、「そこそこ使っていたもの」がやっかい。

一度覚えてもしばらくしたらまた忘れたり、何とかしようと思ってもついつい覚えるのを先送りにしてしまう。

モノによっては、新しいものを覚えるのが面倒で、使わなくなってしまったコマンドもある。

新しいやり方を覚える手間より、多少不便でも楽な方を選ぶという。悲しい怠惰な人間のサガ。。

だいたい、長く使っているコマンドなんてのはもはや習慣の一部になってるわけで、これを変えるのはかなりしんどいわけですよ。

これまた男しかわからないと思うけど、「ストリートファイター」の波動拳のコマンドは「↓+↘︎+→+パンチ」だ。それは新作が何本出ていても30年(!)ずーっと変わらない伝統であり文化だ。

これがもし、次回作から波動拳は「↓+↙︎+←+パンチ」になります。となったら、世界中のゲーマー達が混乱する。

全国で、空コマンドにより立ち往生するリュウやケンや豪鬼が続出する。

コマンドというのは、その操作に慣れていればいるほど、変えるのがしんどいものなのだ。

WindowsからMacに変えようとしている人は、コマンドを覚え直す「覚悟」を持ってこちらの世界に来て欲しい。

 

また、Windows7からの機能で多用していた、「2画面分割」の機能が無いのも不便だ。

Windowsでは、ウィンドウを分割したい時は、一つを左端にドラッグ、もう一つを右端にドラックしたら簡単に2分割された。

スムーズに二つの画面を見ながら作業が出来てとても便利なのだが、残念ながら、Macにこの機能は無い。

Macの場合、ウィンドウを端に持っていくとそのまま画面の端を突き抜けてしまう。

おーい、どこ行くんだお前。

素直にちっちゃくなってくれんかな。

 

もっともこれについては、アプリを活用したり、複数デスクトップを使えば解決になることを最近知った。

でもこれもコマンドと一緒で、「今までと同じこと」をするために手間がかかったり、やり方を変えることが面倒なわけですよ。

他にもWindowsMacでは、「フォルダ構造の考え方が違う」「ウィンドウのボタンが違う」といった様々な違いが存在する。

Windows御用達の「マイドキュメント」が「書類」という名前だったり。「書類」って!Windowsが「書類」でMacが「マイドキュメント」の方がなんとなく合ってるやん。

とにもかくにも、これらに馴染むのにはそれなりに時間と手間がかかるのは必至である。

 

もちろんMacに変えたことによるメリットもあった。

iphoneipadとの連携なんかはそれで、ファイルを無線でやりとりできるAir Dropなんかはすごく便利。また、トラックパッドも非常に操作性が高く、Macにしてからマウスいらずになったくらい直感的な操作が出来る。

ただ、でもね、 それで生産性が2倍、3倍になったかというとそれは無いんだよね。

ここは、ちょっと便利だよね。というくらい。

私がもっとクリエイティブツールをガンガンに使いこなしていたり、IT大好き人間でMacの様々なアプリ、ツールを使いこなしていればそれも違うのかもしれない。

でも残念ながら私はそこまでハイレベルな使い方をしようとしない、フツーのビジネスマンユーザー。

Macを開いてスタバでドヤ顔して顕示欲を満たす人間でも無い(今時いないかそんなの)

こういった普通の人間にとっては、「Macによって得られた新しい価値」よりも「Macに変えたことによる面倒さ」の方が大きいのでした。。

やっぱり、何か物事を変える時は、

変えることにかかる労力 < 変えることによるメリット

でないと、結果としてそれは良い決定じゃなかったのかなと思う。

経験という意味ではMacを使ってみたことは良かったけど、効果という意味では微妙。

なんでも変えればいいってものでは無いのだなー。

切符からSuicaに変えるみたいに「簡単に変えられて、圧倒的に便利」だったらすぐ変えるべきだけど、そうで無い場合は少しは考えないとね。

 

PC変えたっていうちっちゃい話からはちょっと大げさだけど、「改革」とか「変革」が必ずしもいいことばかりでは無いってことを学んだ気分。

IT企業の仕事柄、普段お客様に対して「改革」を迫ることがあって、それに抵抗する人達を「保守的」だの「消極的」だのと思ってしまうこともあるけど、「変える」ってのはしんどいんだよね、やっぱり。

コンサルとかITベンダーの人達は「改革」「変革」をお客さんに迫るけども、何かを変えるしんどさと、それによるメリットのバランスを本当に理解しているのかな、と。

自分のこととなると、パソコン一つ変えただけで意外とヒーヒー言うかもしれませんぞ。