外資系リーマンのゆるコミット

必ずやります、たぶんそのうち

新聞記事のスクラップはどうしても時代遅れの習慣に思えてしまう

先日、出張先に向かう新幹線の車中で「新聞記事のスクラップを張り集めたノート」を大事そうに見返している40代半ばと見られるビジネスマンがいて、衝撃を受けた。

この時代にまだそんな習慣を持っている人がいることに驚いたと同時に、失礼な話ではあるが、その方のITスキルの低さ、変化対応力の無さを勝手に推し量ってしまった。


私も社会人なり立ての頃、上司や先輩から「新聞記事のスクラップ」を薦められたことがある。

ビジネスマン御用達である「日経新聞」から重要な記事、興味を持ったトピックを切り抜いて保管し、後で見返して役立てるという自己啓発とも言える習慣だ。

当時は私も、せっせと新聞を切り抜いてファイルに保管しては、気まぐれにそれを眺めたり、読み返したりしていた時期があった。

あれから十数年。

今や周りで「日経新聞をスクラップしている」なんていう話を聞くことはなくなった。

Webコンテンツの充実やスマホの普及で、新聞に頼らずとも様々な方法で情報を得たり、保存しておくことが可能になったからだ。

もはや、新聞を紙で読んでいる人も少なくなってきたし、ましてやその記事をわざわざ切り抜いて保管している人なんて絶滅危惧種に近いんじゃないか。

もちろん、全く新聞を読まないより、新聞をしっかり読み込んで、その記事を何度も見返すような人の方が、経済やビジネスへの感度や意欲は高いのかもしれない。

また、切り抜き記事を集めることで、コレクション願望が満たされたり、私には想像もつかない点でメリットがあるのかもしれない。実際、この時代だからこそあえてアナログのスクラップを推奨する経済人、著名人もいるようだ。

しかし、今のIT全盛時代における「新聞のスクラップ」は、見る人が見れば「ITリテラシーが低い」「効率が悪い」と思われても仕方のない行為だ。

ビジネスの情報収集や勉強のやり方は、個人のやりやすいように自由にするべきだが、いまどき紙の新聞をノートに張り集めることが「効率的」で「効果的」なものだとはどうしても思えない。

紙のスクラップをコツコツ集めている姿は、他に便利で効率的な情報整理のやり方を「知らない」か、その方法を「使いこなせていない」ように見えてしまう。

未だに音楽をMDプレイヤーで聞いていたり、携帯電話を持っていなかったりしたら驚かれるように、技術やITの進化には現代人として最低限対応していかなければ、変化に疎い時代遅れの人とみなされる。

そして、個人的にはあまりこういう人たちと仕事をしたいとは思わない。

もし、シニアのビジネスマンでこのような昔ながらの習慣を続けている人がいたら、私のようなひねくれた見方をする人間もいることを知って頂きたいし、たとえ50代、60代でもipadKindleEvernoteDropboxを使いこなしている人がいることを意識してもいいと思う。

 

科学や技術の進歩と共に、時代は変化している。

昔ながらの方法が時に有効なこともあるが、それにこだわってばかりでは人間は進化しない。

石が無くなったから石器時代が終わったわけではない。

石が残っているからといって、大事に石器を使っていてはいつまでも原始人のままだ。

全てを先端の技術で固める必要は無いが、大きな時代の変化、技術の進歩には何歳になっても対応していきたいものである。