外資系リーマンのゆるコミット

必ずやります、たぶんそのうち

理想のキャリアを作るために、あえてお金やステータスを捨てる勇気

一部の脱力系の人を除けば、多くのビジネスマンは、自分の好きな仕事、やりがいのある仕事をしたいと願っていると思う。
 
少なくとも、全く適性が無く、情熱も興味も持てない仕事を延々とやらされることは、なるべく避けたいはずだ。
 
望んだ仕事に就く方法、理想とするキャリアを勝ち取るためには様々な手段があるが、ここでは、転職を前提としてキャリアを重ねていく時の一つの方法、ポイントについて考えてみる。
 
もし転職をうまく活用してキャリアを築いて行こうと思うなら、自分が経験してきた仕事の内容や権限については、常に意識した方がいい。
 
転職市場において、企業が中途採用の人材に求めるのは、これまでの職務経験である。
 
採用の主な判断基準は、応募者が過去にどんな仕事を手がけてきて、どんなスキル、ノウハウを持っているかだ。
  
会社の看板や肩書きが求められるケースもあるにはあるが、それ以上に本人のビジネス経験によっておおよそ次のステップ、選択肢が決まってくる。
 
その意味では、転職先の会社やポジションの選択肢は、過去の職務経験の延長線上にあると考えるべきだ。
 
経理をやったことが無い人が財務部のポジションを得ることは普通難しいし、マネージャーをやったことが無い人に部長や事業責任者のオファーが来ることはほとんど無い。
 
「過去の経験が全て」という現実を考慮すると、時に目先のお金やステータスを犠牲にしても、「どんな仕事が出来るか」を重視して道を選んで行くことが重要だということが分かる。
 
例えば、周囲に経験豊富な先輩社員が多く、いつまでも大きな仕事が回ってこない大企業を飛び出して、人材不足の成長企業に入り、責任の大きな仕事を経験することは大きな財産になる。
 
また特に外資系企業においては、転職を繰り返しながらキャリアチェンジ、キャリアアップをしていくことが当たり前なので、会社を変わりながらステップを重ねていく人が多い。
 
同じ業界に勤めていて、一緒に仕事をしたこともある知人は、上が詰まっていて当面マネージャーへの昇格が見込めない会社の現状に見切りをつけ、立ち上げ時期のベンチャーに入り事業部長として経験を積み、次の転職では最初に在籍していた所より市場評価の高い企業のマネージャーのポジションを得た。
 
また他の若手営業の例で、彼は仕事をしているうちに営業よりコンサルに興味が出てきたものの、大手コンサルファームは実績が十分で無いと雇ってはもらえない。そこで、知名度も年収も業界では劣るファームに未経験枠でまず入社し、そこでノウハウを吸収して高い実績をあげ、元々入りたかった企業へと入社を果たした。
 
このように、自分がやりたい仕事があるならば、あえて会社の規模や年収を落としてもそこで数年経験を積み、本来入りたかった企業、やりたかった仕事、就きたいポジションを掴み取ることもできるのだ。
 
理想的なキャリアを作っていくためには、会社でどんな仕事経験を積めるかということを優先して、時には目先の収入や看板を捨てる勇気も必要だということを実感する。
 
もちろん、転職が前提に無い場合は、このようなキャリア形成は難しくなる。
 
万人に転職を薦めるつもりはないし、長く務めることによって最終的には満足する仕事に就けることもあるが、もし今いる会社の延長線上に自分が想い描く姿を見いだせないのなら、思い切ってお金やステータスを捨ててチャレンジする決断をしてもいいのかもしれない。